会社の上司⑤(ひたむきさ?いいえ、人情です)
- 副塾長

- 11月2日
- 読了時間: 2分
上司から
「頭じゃなくて心で考えるんだよ」
「そこは萩原くんの大事なところだから自分で気づかなくちゃいけない」
と社会人の大きな壁に苦しみましたが
ドラマや映画のように
ふとしたときに、はっとその答えに気づいたわけでなく
後から振り返って気づいたような気がします。
本配属になってから暫くして
これまで歴代の営業マンが開拓できなかった企業と契約を結ぶことができたのですが
それは別に私が優秀な営業マンだったからではありません。
新潟の大雪の日に
朝10時頃にアポイントを取っていました。
前泊したホテルから数km
離れていましたが調べてみると
徒歩1時間半で行けることが分かりました。
私はまだ入社1~2年だったので
(タクシーで行ってしまったら
契約できなかったときに赤字になる)
と思い
また、宮崎出身で大雪に心が舞い上がっていたこともあり
早起きして歩いて行くことにしました。
すると、あまりの大雪で革靴では滑り
雪が積もって一歩踏み出すのも大変な場所もあり
靴はびしゃびしゃになり
雪が降ってきて
傘を差しても全身雪まみれになりました。
余裕をもってホテルを出ましたが
アポイントの5分前とかで会社につき
会社の人が出迎えてくださったとき雪まみれの私をみて
「え、歩いてきたんですか!?」
と驚き
商談は今振り返っても新人らしい判を押したような形で終わったのですが
「せっかく歩いてきて雪まみれになったのに
手ぶらで帰ったら悲しいですよね」
と、まさかの同情で取引してもらうことになりました。
電話で報告し会社に帰ると
大口の案件だったので部署の人から褒めたたえられ
上司と一緒に取締役に報告しに行きました。
「あそこは俺も駄目やったんや。どんな普及をしたんや」
「ホテルから歩いて行って雪まみれになっていたら同情されました」
(苦笑)
「若者のひたむきさが胸を打ったんや」
と微妙な間とひねりだした誉め言葉をいただきました。
アポイント先の担当者さんが
同情で契約するという
利益や損得でない『人情』
というものを見せてくださったことは
私の中に、いい営業マンになるための種を
そのときは気づいていませんが
静かに植えてくれていました。





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