もはや面倒なほど細かい
- 副塾長

- 11月8日
- 読了時間: 3分
大学時代の友人はもはや面倒なほど細かいです。
言葉の定義がはっきりしないと気持ち悪いので
まずは、言葉の定義の共通認識を共有しないと話を前に進めません。
それが議論の場だけならまだしも
日常生活でもそうだから「面倒」だと感じます。
嘘です。
私もそういう部類だったので
楽しく細かいことを突き詰めていました。
大学3回生から友人4人とシェアハウスをしていました。
「年末の大掃除の役割分担をしよう」
と私のこたつで皆で段ボール一箱分まとめて発注して
1個あたりの単価を下げたミカンを食べながら話し合いをしました。
「どこ掃除しようか」
「どこまで掃除しようか」
「いや、待て。たぶん、我々の認識に違いがある。」
「どういうこと?」
「掃除、といっても例えば、この机の上にあるミカンの皮をゴミ箱に捨てて掃除と思う人もいれば、その後、布巾で拭かないと掃除と思わない人もいる」
「たしかに。しかも、『大掃除』なのだから『普段より掃除をする』というニュアンスが込められているから、いつもと同程度の努力で掃除をしてもそれは『大掃除』とは言えないね」
「その努力の程度も、主観に拠ってしまうと、大掃除後の努力具合に不公平が生じるから
拭き掃除ならどの程度、物を捨てるならどの程度、と程度を示して
掃除範囲は大変度合を加味して分担しないといけない」
「そもそも、普段の掃除から怠惰な奴がいるから、ちゃんとやったかどうかの審査が必要で、できてなかったときのペナルティが必要じゃない?」
「じゃあ、たとえば罰金を設定するとして、それ一律に課すのか、怠惰具合に比例して高くするのか、どうする?」
「いや、待て。罰金を設定すると、それならお金を払うから俺は大掃除をしない、という選択ができてしまう」
「いや、そんな奴おらんやろ」
「どんな人間がいるか分からない」
「いや、4人でお互い顔も性格も知ってるじゃん」
「だからこそ、罰金が設定されたら、金額によっては俺はお金を払って大掃除をしない」
「まじか」
「せっかくだから、どの環境にも適合した、俺たちの最高の大掃除規則を確立しないか?」
と、夜9時から始めた大掃除の話し合いは日をまたぎ
小腹が空いてコンビニに皆で歩いて行き
「やっぱりいい議論ができてるね」
「いや、あの指摘はおかしいやろ。罰金あったらお金を払ってでも俺はしない、とか議論を乱してるだけでしょ」
「そういうスタンスの奴がいた方が絶対面白いし、『世の中、そういうやつもいる』ということを漏らさぜ思いついた俺が賢こ過ぎた」
と歩きながらも、途中振り返りをし
結局朝方4時まで話し合って
また皆で朝ごはんをコンビニに買いに行って
朝ごはんを食べ、寝ました。
「最高の議論ができたから、大掃除はもういいか」
と議論で燃え尽きて、大掃除は行われませんでした。
翌年の大掃除は、特に話し合いも決まりも設けず
各々の裁量と空気感で適当にそれなりにして
皆で温泉に入ってサイゼリアに行き
大掃除で体を動かし
埃にまみれた体と1年の疲れを銭湯で洗い流し
サイゼリアで思い思いの品を好きなだけ頼み
これまた最高の大掃除の1日となりました。





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